谷川俊太郎さんの仕事

今月、詩人の谷川俊太郎さんがお亡くなりになった。92歳。人生を生き切ったであろうか。三好達治に見いだされ、若い時から第一線で活躍された。「二十億光年の孤独」を皮切りにあまたの詩集を世に出した。タイプもさまざま。題材にしなかったものはないくらい。代表作を挙げたらキリがないだろう。中学の教科書には「朝のリレー」や「春に」が掲載されていた。どちらかと言えば、ドライでウィットに富んだものが多い詩人だ。難語もほとんど出てこない。わかりのいい言葉を使って時空を超えたポエジーを紡いだ。センスとナンセンスの往来、詩や言葉についての言及も特徴的だ。「ことばあそびうた」に代表されるようなひらがな書きの詩も生涯を通じ
て書かれていた。子どもたちにとってやさしく親しめる、それでいて深い作品、そういうものを追求していたようにも思える。私は「はだか」という詩集を高校の授業で使い、舞台作品でも扱った(ちなみに武満徹が音楽をつけている)。その方面の相乗効果なのか、谷川さんには絵本の翻訳や原作もたくさんある。校歌の歌詞提供の話もあちこちから聞く。晩年の仕事の一つ、絵本「へいわとせんそう」は何度見ても考えさせられる。あたりまえにわかっていることなのだが、新たに振り返ることができる。シンプルな構成ながら再読に値する。子どもたちには読み継がせたい。こんな時代だけに。谷川さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。


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