「父と暮らせば」など

「父と暮らせば」など
 ちょっと日が経ってしまったが、先日清水のマリナートに「父と暮らせば」(井上ひさし作、都築はじめ演出)を観に行った。演者は静岡のらせん劇場の俳優二人。出演女優は私の企画にもよく参加してもらっているので楽しみに出かけた。今回は人権推進のイベントとしての開催で観劇無料(要予約)。専用ホールで環境もよく、舞台内容もよかった。実は6年前にも同じ演目を小劇場でやっていて、その時も観ているのだが、二回目ということもあり、より手の内に入っていて洗練されていた。ただ空間が広いので少しおとなしめに見えたところもある。セリフ回しが命だ、生き残ってしまった者の心の傷、よく伝わって来た。自分の幸せを願ってはいけないと思う娘と娘の幸せを願う父親。何度見ても辛い話である。電球の灯り、転換の効果なども個性的でよかった。
 その人物の心情があふれる演技というのは心に残るものだ。TVドラマ「相棒」のシーズン22が終わったが、「インビジブル」(最後から二つ目の話)の最後、水谷豊が開き直る若い犯罪者に「希望はあります」と何度も言って諭すところなど、密度が濃かった。セリフはそれを繰り返すだけ、言いながら犯人に近づくのだが、気持ちとタイミングがよほどうまく合わないと成立しないような気がする。心に残る演技だった。また、数日前にTVでたまたま最後の方を見た「容疑者Xの献身」(何度も見てるのだが)、堤真一演じる容疑者が隣家の親子を助けるためにトリックを駆使する、その堤の役作りと演技力がやはり凄くて画面にくぎ付けになってしまった。こういう機会を大事にしたいと思う。


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