アカデミー賞の話 ~ 浜松市第71回市展の話

アカデミー賞の話 ~ 浜松市第71回市展の話
 今年のアカデミー賞は長編アニメで宮崎監督の「君たちはどう生きるか」、視覚効果賞で「ゴジラ-1.0」(山崎監督)が受賞した。「君たち~」は海外で評判がよく、意外だった。個人的には終盤のまとめ方が今ひとつと思っていた。絵の素晴らしさは言うまでもないが、世界の描き方というかファンタジーの強みというかそれが作用しているようにも思う。600枚もの絵コンテを描いたという宮崎さんは、これは終わらないんじゃないかと思ったそうだ。「ゴジラ」のVFXは相当レベルが高いと思うが、賞をとれるとは驚きだった。米国で売れて邦画の興行収入1位というのも関係はあるだろう。東京の街で逃げ惑う人々、海上で船で戦う人々、ゴジラとともに同一画面に収めて違和感が何もなかった。2作とも技術の高さを示し得た。内容面では両者とも「戦争」という時代背景がある。そういう社会的な文脈も忘れてはいけないだろうと思われる。なお作品賞は「オッペンハイマー」(こちらは核兵器を作った男だ)(観るのが楽しみ)、主演女優賞は「哀れなるものたち」のエマ・ストーン。納得である。
 浜松市の市民応募の美術展覧会(市展)があり観に行った(市美術館、入場無料)。ほとんど見たことが無く、たまたま新聞で見かけ、最終日に出かけた。絵画、彫刻、書、工芸、写真の分野、それぞれ審査され入賞作品が展示される。みんな個性があって面白かった。絵は写実的に上手な人よりも、インパクトやテーマ(時事性)、発想のユニークさに重きが置かれているようだった。大賞の下が奨励賞になるが、私がいいなと思ったものは賞に入ってなかった。彫刻は点数が少なかったが、市長大賞の木彫「鍵盤からの試み」というのはアイデアも技もよかった(写真上)。書もそれぞれ楽しめたが、大賞をとった「ときはなる松のみどり」は余白と筆跡のバランスがよく、行の傾斜も味があった。内容は歌が2首。字がしっかり読めなくても(こちら側が)面白く感じるのだから、面白い。一人一人の書を見ていくと、署は字だけれど立体を感じることがある。不思議な感覚である。(写真下)
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