劇団からっかぜ公演「もやしの唄」

劇団からっかぜ公演「もやしの唄」
 「劇突」今年は12月からということで、昨日は一番手のからっかぜさんの公演があった(クリエート浜松)。演目は小川未玲作の「もやしの唄」。昭和の高度成長期頃のもやし屋が舞台。妻に先立たれ認知症っぽくなっている店主とその弟妹、もやし屋に住み込みで働く「村松さん」、主人を慕うくみこさんらの人間関係を温かく描く。時代を反映させたホームドラマ(朝ドラ的?)のような感じだ。主人のうまくいかない見合いの話、名前を変えて(字の入れ替え)働いていた「村松さん」(松村電機の御曹司)の人物や事情、子どもを戦争中に失くした喜助さんの死などがメインのトピックになるが、いわゆる「大事件」は描かれない。それこそ「もやし」のような庶民のつぶやき(唄)が漏れ聞こえ。旧い世代から新しい世代へ移り行きが描かれる、悩みや苦みを含みながらも明るくたくましく暮らしてゆく人々の姿がよくとらえられていたと思う。強烈なインパクトこそないが、堅実で無駄のない脚本、からっかぜさんはいつもながら自分たちに似合った等身大の作品を選んでくる。実は今回初日のアトリエ公演(10月)と千秋楽のクリエート公演と、2ステージ見させてもらった(ダブルキャスト、二人ともよく知っている役者の出演ということで)。初日は全体としてはまだこなれてない部分も散見したが、楽日の舞台は役者陣のアンサンブルや展開のリズムが心地よく、全体よくまとまっていた。もとより力のある役者らが出ていて、それだけで楽しめるものであった。皆様お疲れさまでした。


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